少女スポーツ双六(1927)
『少女倶楽部』第5巻第1号附録(大正16年1月発行)。田中比左良/案・画。※実際は「昭和2」
スポーツ双六からみる社会・世相② ~モガが拓いた、女性のスポーツ~
大正末から昭和初期の日本は「モダン」の語が流行し、都市を中心とする大衆文化が花開いた時代です。竹久夢二の美人画が絶大な人気を得、メディアや広告には洗練された「モダン・ガール」(モガ)の図像があふれました。『少女スポーツ双六』(1927)もそこに位置づけられます。
ショートカットのヘアスタイル、色鮮やかなウェアの少女たちは、当時の流行最先端の「モガ」を彷彿させます。競技名も「ホ・ス・ジャンプ」「ブロードジャンプ」「ハイジャンプ」とカタカナの名称が続き、ファッションと同じように西洋文化のスポーツを颯爽と楽しんでいる姿が見て取れます。
当時、女性の社会進出が進み、バスの車掌やウェイトレスなど職業婦人が出現していました。しかし、現実は、まだまだ女性がスポーツをすることが世間に認められていませんでした。
裏面には「全日本女子運動花形選手と最新記録」が、選手のブロマイド写真とともに載っています。そこには日本選手による世界記録が5つあげられ、そのうち、100メートル、200メートル、走幅跳び、立高跳び、三段跳びの4種目を人見絹江選手が保持しています。
中央に、より大きく描かれた、きらびやかな優勝カップを抱える少女の姿の象徴されるように、人見選手などの活躍によって、それまでもっぱら男性の専有物であったスポーツにおいて、女性による女性のための道が切り拓かれて行くことになるのです。
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