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体力章検定規格手榴弾

 戦前、「体力章」検定のなかの手榴弾投げで用いられていたものです(左)。底部には「体力章検定規格手榴弾 美津濃 謹製」と刻まれており、重さ535グラムです。右は「九九式手榴弾訓練用」で「安全ピン」が装着した、よりリアルな形ですが、陶器製のため重さは371グラムです。

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 日中戦争から太平洋戦争勃発に至る国家総動員体制のなかで、陸軍の要求によって1938年に厚生省が新設され、国民体力の向上を目指した調査や企画などを行う体力局が置かれました。翌1939年には「体力章」検定が制定され、「走」100m、2000m、「跳」走り幅跳び、「投」手榴弾投げ、「運搬」、「懸垂」 などが種目となっていました。

  厚生省制定体力章検定標準(満15才以上25才まで)

  投 手榴弾投

   上級 45m 中級 40m 初級 35m 

   級外甲 30m 乙 25m 丙 24m99cm以下

 戦後、昭和39年から実施されている「体力・運動能力調査」、平成11年度から導入された「新体力テスト」にはソフトボール投げ・ハンドボール投げがあります。「体力」を把握するのに、投擲力をみる理由は何でしょうか。

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ただ投げるのでなく、精神を打ちこまなければならない

 秀一たちの組では、第2時限から3時限にわたって、体力の試験がおこなはれました。けふは手榴弾投げと、懸垂の2種目が試験されるのです。試験が始まる前に、先生は生徒を集めて、訓示をあたへました。

 「これから手榴弾投げと懸垂の試験をします。手榴弾投げは、戦場において塹壕戦や市街戦など、敵と接近しての戦闘にたいへん必要なものです。であるから、手榴弾はただ投げるといふことでなく、投げるたまに精神を打ちこまなければならない。精神を打ちこんで、力のおよぶかぎり遠く、そして、ある目標に向かって、まっすぐに投げなければなりません」。

『日本人はどれだけ鍛へられるか』新潮社、1943年、p.104。愛媛大学図書館蔵

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手榴弾投擲(木柄付手榴弾)、銃剣術の訓練風景

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